2012年05月25日

例大祭ゲスト

君は、ゆめかばんのA-20という人物をご存知だろうか。

そう、我が最大の怨敵にして、シュレディンガーの箱庭世界を共に書いた作家。そして同時にサクサクジョナサンという謎のサークルを私と二人で作り、考え付く限りのクズと呼ばれる行為を繰り返してきた人物である。

今回、そのA-20が、締め切り間際の私にとある話を持ちかけてきた。

「めりとさん、ちょっと手伝ってくれないか」

私は言った。

「修羅場だからヤダ」

彼はこう返す。

「まあそう言わずに」

とても物を頼む態度とは思えなかった。その不遜すぎる依頼に私は何度も断ろうと思ったのだが、結局了承してしまう。
つまるところ、ヤツと同じくクズと呼ばれる人間の部類である私は、彼がこの時期に切羽詰って私に話を持ってくるということが、楽しくてならなかったのだ。

しかしながら勘違いしてほしくない所は、私はいかにクズであり適当に見えたとしても、受けた仕事は全力で取り組むという点にある。
そのスタンスをもってして、私は彼に聞いた。

「何を出すのだ」

と。
彼は答えた。

「ライナーノーツ的なもの。秘封倶楽部の対談形式にして、僕の過去から現在までの本全ての感想を書いてほしい」

私は思う。

「こりゃあまた、サクジョナの悲劇ではあるまいか」

二人でその仕事に取り掛かってからも、その疑念は頭から離れない。
いやむしろ、書けば書くほどそれは大きくなっていった気がする。
それでも二人は、およそ一週間。社畜であるので一日四時間程の地獄を繰り広げた。
まるで、箱庭世界の悪夢が蘇るかのようであった。
あの時も、タイトルが決まらず二日ほど延々とスカイプチャットを飛ばし続けていたのだ。

書き上げたその時、私たちに達成感などというものは何一つとしてなかった。
ただA-20は古傷をほじくり返された痛みで机に伏し、私はこんな感想と批評でよかったのだろうか、もっとブンガクに真面目な頭の螺子が吹き飛んだ者を呼んだ方がよかったのではないかと首をひねり続けていた。

でも、本はできる。
文字を打ち、書き、表紙をつけて製本し、人が読めればそれは本になる。
本というものの定義をここで語る気はないが、私から見ればこれは間違いなく本だ。
人が書き、人が読めるように作られた本だ。

そう思ってかどうかは全く知らないが、この本にはこんなタイトルがついている。





【ゆめかばん例大祭新刊】
『小説』

novel.png

A6/102P/\500
表紙スミ刷り/エンボス加工
頒布スペース/東6ホール き-35b「ゆめかばん」

http://yumekaban.blog86.fc2.com/



「素直にサイズは文庫とでも書けばいいのに」

そんな私の言葉は、この本の中には書かれていない。

『小説』

この本は面白いのか。
そう聞かれると、私は首を傾げるだろう。

ただ一つ言えることは、「人の不幸は蜜の味」だとするならば、この本には蜜しか詰められていないことになる。
黒歴史と白歴史と暴露と苦労と誤字と社畜と手痛い突っ込みで溢れるこの本は、ゆめかばんから発刊されていながらゆめかばんに有利に働くような内容は少ない。
私が好き勝手言い、奴が反論し、私が畳んで奴が泣く。
その蜜を甘く面白いかどうか判断するのは、読者自身に他ならない。

この本の中で語られる感想については、あなたが持っていない本のことも含まれるだろう。
だがどうか、それを理由に敬遠しないでほしい。
持っていない本の内容について、どんな話だったか気になったことはないか?
もしそんな感情を抱いたことがあるのなら、この本は少しだけそれを解消してくれるだろう。
どんな内容で、どんな本で、彼が何を思って書き、その結果どうなったのか。
この一連の流れが、全ての本において行われている。


前置きが長くなってしまった。
ただの宣伝のはずであったのに、ここまでしてやる義理があっただろうか。そう思いはすれど、これも受けた仕事なのだから仕方がない。
人様の土俵で失礼をするわけにはいかないのだから、これもまた己の規律に従った故なのだと納得するよりない。

ただ皆がこの本を読んで、少しでも感想をA-20に言ってやろうと思うのならば、まず奴に「めりとに稿料を払え。もしくはオクフェスで奢れ」とでも言ってほしい。
奴め、踏み倒すつもりだ。
修羅場中に捻じ込まれてこの仕打ちは許さん。
おい半分書いてるんだぞ半分。

結局のところ、やはり我らはクズである。
お互いにクズだクズだと思っているから、こういう事件が発生する。
「もう負の連鎖を繰り返してはならない」と思いつつ、「やはり奴相手に泣き寝入りは悔しいからやり返そう」という思考に切り替わる。
これを延々と繰り返している。
今回もきっと、そんな輪廻の中の一つであろう。


まとめると、クズ同士が面白いのかどうかもわからないが一見の価値ありな本は書いたので、ぜひともお手にとって見てくださいよってことなのだ。
もうこの一言で終わらせればよかった。
長々とここまで読んでいる購読者もいないだろう。

ちなみに、ゆめかばんのスペースは隣である。
き-35bである。
だが合同会計などではない。
そんなことがあってはたまらない。

なので、私のスペースで新刊を捕まえた後、ゆっくりと彼のスペースを見てほしい。
もう冷やかしでもいいし、気に入ってくれたら買ってやってほしい。


最後に一つ注意をしておくが、この記事は宣伝である。
繰り返すようだが宣伝なのだ。
けして貶そうなどと思っているわけではない。
本当に宣伝だ。
本当だぞ。

posted by 白上めりと at 22:16| Comment(0) | TrackBack(0) | 同人
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